羈旅的日剰備忘録

或る種の逃避記録

睡蓮とメダカ

舊暦閏五月三日の良し悪し

映畫『たたら侍
出演者の逮捕騒ぎで早々に上映打ち切りになった館も多いやうだが、我が田舎では毎朝1回ひっそりと上映されてゐるのだ。
EXILEが歌舞集団であることは知ってゐたが、メンバーが何十人ゐるのかはよーわからんままの鑑賞。
特筆すべきは中世の復元力の高さで、ホンモノのたたら場を中心に、山地集落が大規模に復元され、そこでの生活が生き生きと描かれてゐた。炭焼きの爺や祈祷師のおばば、神楽の舞台や古びた神社、そして何より果無山脈のやうな山の連なりや雲海の素晴らしい風景。日本海を航行する千石船も実物大復元だったと思ふ。
惜しむらくは脚本の曖昧さで、何やらよくわからん展開や轉換がしばしばあり、何より主人公が埋没しがちなほど多様なキャラクターが常に併存することかな。
ともあれ、出土遺物や机上のみで中世を研究し語らうとする研究者たちに是非観て欲しい作品だった。