沐浴時候 - 羈旅的日剰備忘録

舊暦六月朔日大暑の頃

　

　

　

　

我輩の夏の必需品「六神花露水」と「蜂花壇香露」
いずれも瞬時にして、真夏に大陸を浮遊してゐた時の情景を、脳裏と鼻腔に蘇らせる。
「六神花露水」(LiuShen FlowerWater)の香りはコトバでは形容し難ひが、清涼感に満ち、馥郁たる奥行きのある魅力的な香りである。真夏の大陸の、瘴気に満ち満ちた耐えがたき息苦しさを緩和し、気分を刷新し、灼熱の路上に歩を進める勇気をも生み出す、と言へば大仰だらうか。
成分を見ると「主要成分是珍珠粉和麝香」などとあるし、日本語サイトでは「天然麝香、牛黄」と紹介されてゐる。植物由来の漢方系エキスが主成分であるとも書いてあるが、正確には何が入ってゐるのかよーわからん。「六神」はこの領域で中心的なBRANDだが、似たやうな成分と風体をした類似品も、かなり多く、手元に金銀花＋蛇胆エキスを使った明星ブランドの花露水もあるが、こちらはこちらでなかなか良き使ひ心地。
とまれ道教的に六神とは六臓即ち心・肺・肝・腎・脾・胆を司る神のことだが、十六茶と違ひ6種類の原料が使はれてゐるてうことではないやうだ。
用法は掌に受けて皮膚に直接塗布したり、湯船に適量を投入して入浴剤としても使用可。効能としては蚊虫避けや痒み止め、爽やかに脳を目覚めさせるなどと書かれてあるが、覚醒剤では無いぞな。
一方「蜂花壇香露」は文字通り、Bee&Flowerブランドの白檀の香りの液体＝ボディソープ。原形は固形石鹸だが、数年前に香港で液体化されたシリーズを発見。試しに買ってみたのだが、せっけん同様爽やかな白檀の香りが全身に広がり、夏の入浴には欠かせないものになりつつある。
両者とも中華伝統の処方によるものだが、「六神」に関しては無数に存在する日本的芳香剤の範疇にも類似するもの無く、中華独自の個性と認定したりけるあるよ。
ちなみに手持ちの「六神」もそろそろ底を突き始めてゐるので、そろそろ大陸に出掛け補充しておく必要があるぞなもし。空港も近いことであるし・・・

　

　

　

　
　
　