羈旅的日剰備忘録

或る種の逃避記録

電影録

舊暦十二月二十六日

今回偶々印度系電影二本的簡介相成候也
1,『ヴィクトリア女王 最期の秘密』 Victoria and Abdul
ジュディ・デンチ主演。『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のスティーブン・フリアーズ監督作品。
64年近い統治を誇るヴィクトリア女王の逸話はいくらでもあるが、印度人侍従「ムンシー」ことアブドゥル・カリームとの關系を描いた作品。
老境に入ったジュディ(84歳)だが、大柄でふくよかな印象のあるヴィクトリア女王の貫禄と人となりを獨自の表現で好演してゐる。市原悦子と共通の雰囲氣あるな。
数々の傳説と逸話でのみ語られがちな女王ヴィクトリアだが、彼女が演じることによって一人の人間として描かれてゐて好感が持てた。

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2,『バジュランギおじさんと、小さな迷子』 Bajrangi Bhaijaan
此の作品に關しては解説を引用
「インド人青年と、声を出せないパキスタンから来た少女が、国や宗教を超えて織り成す2人旅をあたたかく描き、世界各国でヒットを記録したインド映画。幼い頃から声が出せない障がいを持つシャヒーダーは、パキスタンの小さな村からインドのイスラム寺院に願掛けにやってきた。しかし、その帰り道で母親とはぐれてしまい、1人インドに取り残されてしまう。そんなシャヒーダーが出会ったのは、正直者でお人好しなパワンだった。ヒンドゥー教ハヌマーン神の熱烈な信者であるパワンは、ハヌマーンの思し召しと、シャヒーダーを預かることにするが、彼女がパキスタンイスラム教徒だと分かり驚がくする。長い年月、さまざまな部分で激しく対立するインドとパキスタン。しかし、パワンはシャヒーダーを家に送り届けることを決意し、パスポートもビザもない、国境越えの2人旅がスタートする。主人公パワンをインド映画界の人気スター、サルマーン・カーンが演じる。」
印度映畫だから當然のやうに熱狂的な舞踊&群舞シーンが数回あるが、いろいろな意味で印度映畫のなかでは new wave なのかもしれない。
単純なきっかけから壮大なロードムービーへ、そして文字通り國境を越えた感動的な大團圓を迎へる。演出は稚拙で捻りが無いが、それだけに全てのシーンがわかりやすく樂しく、感情に訴えてくる。根深い印パの確執を前提に、民族も國家も宗教も國境も無いんだと言ふ理想物語りの結論は現実離れし過ぎてゐて一笑に付されかねないが、人々の心の中に在る善なるものの覚醒を促す作品だ。
ちなみにカッワーリもこれでもかと言ふくらゐの多カットで堪能出来るし、カシミールあたりの美しい自然も見られる。終盤を涙無く観ることが出来る強者が居れば、いちどお會ひしたいものだ。兎に角愛すべき作品。
http://masala-press.jp/archives/4761

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