羈旅的日剰備忘録

或る種の逃避記録

ブレードランナーの旅路

農暦八月初九

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1982年に2019年の近未来を想定して創造された『ブレードランナー』を、其の2019年にIMAXで鑑賞出来る感慨は一入である。あらためて言ふまでもなく、文字通りの「金字塔」であることを再確認させられた。
公開後にいくつものバージョンが編み出され、ファンを混乱に陥れたこともあったが、今回IMAX化されたのは初公開から25年を迎へた2007年にリドリー・スコット監督自らが再編集とデジタル修正を施して蘇らせたファイナルカット版。
フィルムならではの画質の甘さ(同時に奥行き)も概ねデジタル的に修正され、余りにクリアになったため、スピナーの飛行シーンでは合成部分とのボーダーラインが明瞭に見えてしまふこともあったが、雰囲気や世界観を損傷することは一切無かった。それより何より、ヴァンゲリスの音の迫力といったら驚嘆に値するものだった。
IMAXの覆ひ被さるやうな大畫面と相俟って、スクリーン背後や八方に仕込まれたスピーカーからは、雑踏に埋もれてゐた日本語やアラビア語や中國語の囁きも夫々が耳元で聞こえるほど。
冒頭のタイトルバックで鳴る太鼓とも雷鳴とも咆哮とも區別のつかぬ衝撃音のサスティーンも次の打撃に重なるほどの長打且つ奥深く、こればかりは音量も含め到底自宅のオーディオ装置では再生不可能な領域だ。
此のIMAX版で原典を立體的五感的に體験して仕舞ふと、續編である『ブレードランナー2049』の追随も未だ未だ甘いなと思へてくる。それほど降りしきる酸性雨に沈む此の作品の世界観は廣く、奥深いのだ。
※各地のIMAXで2週間限定の公開なので、必ず観ておきなさい!

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